QEMUとは?UTM仮想化の仕組みなどを解説!
仮想化ソフトウェア「UTM」は、Mac系デバイスにおけるx86~64アーキテクチャなどで実行できます。
本記事では、Mac系の仮想化を担うUTMのバックグラウンドソフトウェアQEMUについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
Mac系仮想化ソフトウェア「UTM」とは?QEMUとの関連性について解説!
ここで紹介するUTMとは、Mac系OSとの互換性を持つオープンソースソフトウェアのこと。仮想化ソフトウェアの1つで、Mac系デバイスのセキュリティ環境を構築するうえで重要なエミュレーターです。
ここではMac系仮想化UTMの特徴と、そのバックグランドを構築しているQEMUとの関連性について解説しています。
Mac系仮想化UTMの特徴
Mac系仮想化UTMは、Mac系デバイスのOSとの互換性を持つオープンソースソフトウェアの仮想化ソフトウェア。そもそもオープンソースソフトウェア(OSS)は、 利用者の目的を問わずソースコードの使用・再頒布の自由が保証されているソフトウェアです。
そして仮想化ソフトウェアは、使うことで仮想のハードウェアの構築・使用が実現できる仕組みを指します。
ソフトウェアによって仮想のハードウェアの構築を実現することは仮想化と呼ばれていますが、例えば、下記のような事象です。
- 限られた数量の物理リソース(CPU/メモリ/ハードディスク/ネットワークなど)を実際の数量以上のリソース(論理リソース)が稼働しているかのようにみせかける
- ソフトウェアで自由なスペックでハードウェアを再現する
Mac系仮想化UTMはオープンソースソフトウェアのため、誰でも自由に利用してMacやiOSデバイス上で仮想ハードウェアを作ったり動かしたりすることが可能。また、ipadのOSもMac系OSの1つで、UTMと互換性があることから導入することも検討してみましょう。
MacデバイスへのUTM導入のメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
QEMUとの関連性
Mac系仮想化ソフトウェアUTMと関連性がある仕組みに、QEMUが挙げられます。
QEMUは、コンピュータの挙動をソフトウェア的に再現できるプロセッサエミュレータの1つ。またプロセッサは、一定の手順に基づいてデータを変換・演算・加工する機能を持った装置、もしくはソフトウェアシステムです。
エミュレータは、もともと特定のOSやハードウェア向けに開発されたソフトウェアを本来とは異なる動作環境で疑似的に実行させる仕組みを担います。
QEMUを使うことでCPUやメモリはもちろん、周辺ハードウェア(ペリフェラル)も模擬し、再現したパソコン上で実行するところは特徴的。
Mac系仮想化ソフトウェアUTMを構成するオープンソースソフトウェアということもあり、QEMUをベースに構築されているという関連性が伺えます。
またUTMとの高い互換性から、x86~64アーキテクチャの実現を可能にしています。
QEMUエミュレーターがUTM仮想化に実装!その仕組みについて解説!
QEMUをベースにしていることで高い互換性を持ち、x86~64アーキテクチャの実行を可能にしているUTM。「UTM v3.0.0」では、Apple Silicon MacでmacOSやLinuxの仮想化が可能となっています。
UTM v3.0.0においてQEMUを採用
もともとMac系UTMは、QEMUをベースに構築されています。
そのため、「UTM v3.0.0」でもQEMUが採用されています。
前述したUTMとの関連性からMacやiOSデバイス上でx86~64やARM64、RISC-Vなど、さまざまなアーキテクチャの仮想化と実行が可能です。
Virtualizationフレームワークをサポート
「UTM v3.0.0」で以前のバージョンでは実現不可能であったApple Silicon MacでmacOSやLinuxの仮想化が可能となった理由は、QEMUに加えAppleのVirtualizationフレームワークをサポートしたためです。
Apple Silicon Macは、起動システムに特徴があるといわれており、これまでのUTMでは仮想化は困難を生じてきました。
そんな仮想化を可能にしたVirtualizationフレームワークは、Apple SiliconとIntelベースのMacコンピュータの両方で仮想マシンを作成および管理することを目的に開発された高レベルAPIのセットです。
さいごに|Mac系UTMでシステムを仮想化しよう!
今回は、Mac系仮想化ソフトウェア「UTM」とQEMUとの関連性について解説してきました。
もともとQEMUを採用していたUTMシリーズにおいて、v3.0.0以降はVirtualizationをサポートしています。
この機会にぜひ、Mac系UTMのQEMUについて理解しシステムを仮想化することを検討してみてはいかがでしょうか。
UTM
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