トランスペアレントモードとは?UTM導入時のポイントを解説!
近年、UTMはセキュリティ対策として注目されており、導入する企業も増えています。
しかし、なかには導入時に既存のネットワーク環境を変更しなければならなくなることを懸念して、導入に踏み切れない方もいるのではないでしょうか。
そんな方におすすめが、トランスペアレントモード設定ができるUTM機器(アプライアンス)です。
本記事では、トランスペアレントモードの特徴やUTMを導入する際のポイントについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
UTMのトランスペアレントモードとは?その特徴について解説!
トランスペアレントモードは、すべてのUTM機器で使うことはできません。
例えば、トランスペアレントモードを設定できる機器に、米Fortinet社の開発したFortiGate(フォーティゲート)があります。
FortiGateは、UTM機器の基本的な機能を一通り備えています。
それに加え、下記のような魅力も兼ね備えています。
- ワークフローの自動化により効率的な運用ができる
- マルウェアの攻撃・感染を防止する
- 自動で端末の可視化や脆弱性の管理を行う
- 脅威情報の管理・共有ができる
それでは、このFortiGateでできるトランスペアレントモードとはどんな設定なのかを解説します。
トランスペアレントモードとは?
トランスペアレントは、「透明な」「透過的な」「透き通った」といった意味を持ちます。そのため、透過モードとも呼ばれています。
UTM機器を、このトランスペアレントモードで設定すると、下記のようなことは変更しなくても導入することが可能。
- 既存のネットワーク環境
- ルーターの設定
- パソコンの設定
- ファイルサーバ(NAS)の設定
- 複合機の設定
このように、手軽に導入できるメリットがあります。
既存の仕組みとの違いは?
既存のネットワーク環境に接続されたノードが多数ある場合、UTM機器導入時にはネットワーク機器の追加に加え、接続されたすべてのノードの設定を変更する必要があります。
しかし、トランスペアレントモードであれば、そうした変更をしなくても済みます。
それではなぜ、そんなことが可能になのでしょうか。
その理由は、トランスペアレントモードではVLANの「作成」「変更」「削除」が自由にでき、設定したVLAN情報がVTPアドバタイズメントによって通知されないため。
VLANとは、もともとのネットワークを、論理的に区切ったりまとめたりしたネットワークのことです。
トランスペアレントモードでUTMを導入する際のポイントを解説!
ネットワークに接続する機器の設定を変更せずに、UTMを導入できるのは魅力的です。
しかし、UTMを導入する際は、下記の3つのポイントで判断しましょう。
- 既存システムとの互換性
- オフィスの規模
- サポート面
それぞれのポイントについて、詳しくみていきましょう。
既存システムとの互換性
せっかく高性能で高価なUTM機器を導入しても、既存のシステムと互換性がなければ使えません。
トランスペアレントモード設定が可能なUTM機器なら、安心だと思うこともあるでしょう。
しかし、既存システムと互換性があるということではありません。
そのため、導入する前に自社のシステムとの互換性があるかどうかは確かめておきましょう。
オフィスの規模
UTM機器に搭載されている機能は、機種によって異なります。
搭載されている機能が多くなり、高性能になるほど導入や運用にかかる必要は高くなります。
自社にどれぐらいの性能でどんな機能が必要となるかは、それぞれに異なるため、導入前に確認が必要です。
確認の際は「接続する機器の台数」「月額料金」「使用の目的」「用途」といったことを参考にしてみましょう。
サポート面
UTMにトラブルが起きた場合、自社にセキュリティの担当者がいなければ、適切に対処することができません。
その場合、メーカーへの問い合わせが必要となります。
しかし、メーカーが海外所在の場合、何かトラブルが発生した際には本国に問い合わせてから対応となるケースも少なくありません。
今回、トランスペアレントモード設定が可能なUTM機器として紹介したFortiGateも、海外のベンダーのUTM機器の1つ。トラブルが発生した際のメンテナンスについても確認しておきましょう。
さいごに|UTMはトランスペアレントモードで設定しよう!
既存のネットワーク環境を変更しなくても済むトランスペアレントモード設定が可能なUTM機器なら、比較的導入が簡単にできます。
しかし、手軽に導入ができても、その機器が自社に適していない可能性もあります。
本記事で紹介したUTM導入時のポイントを参考にして、自社に適しているようならトランスペアレントモードのあるUTMを選ぶこともおすすめ。
これを機にぜひ、UTMの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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