WAFとは?UTMとの違いについて解説!
外部からの悪意のある第3者による攻撃を阻止してくれるUTM。
大企業だけでなく、中小の企業でも悪意のある第3者による攻撃を受ける可能性がある現在、社内外のネットワークに何らかの備えをしておく必要があります。
その1つがUTMですが、他の有効な手段としてWAFが挙げられます。
本記事では、UTMとWAFとの違いについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
WAFの特徴は?UTMとの違いについて解説!
UTMとは「Unified Threat Management」の略であり、下記の性能によりセキュリティ対策が可能です。
- ネットワークを監視するファイアウォール
- 1つのゲートウェイで管理可能なアンチウィルス
- 不正侵入を検知・防御するIPS/IDS
- 迷惑メールを防御するアンチスパム
- 有害アクセスを防ぐWebフィルタリング
- 危険な通信を制限するアプリケーション制御
悪意のある第3者による攻撃を阻止するための備えを1つのハードウェアで統合し、集中的な対策を行うことができる機器のことです。
それでは、WAFとはどういった仕組みなのでしょうか。
ここでは、WAFの特徴やUTMとの違いについて解説しています。
コラム:UTMとは?導入のメリットやデメリットを詳しく解説!
WAFとは?
WAFは「Web Application Firewall」の略。名称のなかに、ファイアウォールがあることから分かりますが、WAFはファイアウォールの1種です。
ファイアウォールとは、ネットワーク通信においてその通信の可否を判断し、何らかの方法で判断して不正アクセスなどを防止する仕組みのこと。WAFは、Webアプリケーション用のファイアウォールといえます。
そもそも、Webアプリケーションとは、インターネットなどのネットワークから利用するアプリケーションソフトウェアのこと。
Webアプリケーションへの悪意のある第3者による攻撃を阻止するセキュリティ対策がWAFだということです。
UTMとの違いは?
UTMは、さまざまな脅威に対応できますが、WAFで防御できるのはWebアプリケーションへの攻撃のみです。
そのため、WAFでは、下記のような攻撃しか防ぐことはできません。
- バッファオーバーフロー
- クロスサイトスクリプティング
- SQLインジェクション
- OSコマンドインジェクション
- DDoS攻撃
- ブルートフォースアタック
- ディレクトリトラバーサル
セキュリティ対策の内容が異なるため、注意が必要です。
UTMの仕組みは?WAFなどのセキュリティにおける仕組みを比較解説!
さまざまなサイバー攻撃を防ぐことができるUTM。しかし、さまざまなセキュリティ対策が集約されている分、UTMの導入にはかなりの初期費用がかかります。
また、場合によっては必要のないセキュリティ対策に費用をかけることになることもあるでしょう。
そのため、会社によっては個別でセキュリティ対策を行った方がよい場合もあります。
自社にあった悪意のある第3者による攻撃を阻止する備えを行うためにはWAFなど、各セキュリティ対策の特徴を理解しておくことが必要です。
「UTM」「WAF」「IPS/IDS」「ファイアウォール」の特徴について、下表にまとめました。
セキュリティの仕組み | 特徴 |
UTM | さまざまな攻撃が防御でき、その対策が一元管理できる仕組みがUTM。すでに複数の対策を行っているのなら、それをひとまとめにでき、コスト削減できます。
しかし、機器に備わっているモノしか守ることができません。そのため、備えの選択ができないというデメリットがあります。 |
WAF | Webアプリケーションに特化した対策が行える仕組みがWAF。脆弱性を狙った攻撃への備えしかできませんが、防御したいのがWebアプリケーションのみであれば、もっとも最適な備えといえます。 |
IPS/IDS | ネットワーク上の通信を監視して、不正なアクセスやその兆候を検知し管理者などに通知する仕組みがIDS。ネットワーク上の通信を監視して不正なアクセスをブロックすることが可能。特に、システム障害の未然防止に役立ちます。
・DoS/DDoS攻撃 このような、OS/Webサーバーの脆弱性を突いた攻撃や、負荷を掛ける攻撃への対策として有効です。 |
ファイアウォール | ファイアウォールによって、外部からの不正アクセスが防御できます。データ流出の可能性や、デバイスが感染した場合のリスクを低減できるのも特徴の1つ。しかし、Webアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃は通常のファイアウォールでは防げないため注意しましょう。 |
さいごに|UTMとWAFの違いを理解しよう!
UTMは、基本機能としてファイアウォールやIPS/IDSを備えています。
そのため、UTMを導入していれば、ファイアウォールやIPS/IDSを導入する必要はありません。
しかし、UTMの基本機能にはWAFは存在せず、Webアプリケーションの脆弱性を狙う攻撃も防ぎたいのであれば、WAF・UTMの両方を導入すべきです。
それぞれの特徴と違いを理解して、適切なセキュリティ対策に取り組みましょう。
UTM
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