UTMを冗長化する目的とは?構成する方法など解説!
UTMを冗長化することで、万が一故障した際にネットワークセキュリティに関連するインフラが復旧しやすくなります。
本記事では、UTMを冗長化する目的や構築方法などについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
UTMを冗長化する目的について解説!
UTMを冗長化するということは、システム障害に強いインフラが整うということです。
まずは、冗長化の意味について、詳しく解説していきます。
冗長化とは?
UTMにおける冗長化とは、本番用と予備のインフラを整えること。
通常運用しているインフラが何らかのトラブルが発生した際は、予備のインフラが稼働し、正常運転できるような仕組みです。
具体的な仕組みは、UTMハードウェアもしくは内部のソフトウェアが不具合を起こした際に備えて、予備のインフラがスタンバイしています。
仮に本番用のインフラが不具合を起こした際は運用に支障をきたすことから、予備のインフラに切り替えることが可能。
一般的には設定による自動切換えが付属されていますが、コードによる入力もしくは目視で切り替えることもできます。
一般的にはUTMを冗長化した後の導線としては、発生条件によって切り替えるケースが主流といえますが、具体的な内容については後述します。
冗長化する目的は?
UTMを冗長化する目的は、主に下記の内容が挙げられます。
- システムの可動性の強化
- ネットワークセキュリティの強化
- 復旧手順のマニュアル化
UTMを冗長化するということは、複数のインフラを構築するということ。
システムの導線を複数確保していれば、トラブルや不具合が発生した際に正常なインフラに切り替わるため、システムが停止する確率は限りなく下げることができます。
つまり、ネットワークの安全性が担保できるだけでなく、外部要因から受けるサイバー攻撃も防止できることからセキュリティの強化が期待できるということ。
トラブル発生時の対応として、復旧させる際のマニュアルも整備することも重要です。
UTMで冗長化によるクラスタ構築の方法を解説!
UTMに発生したネットワーク通信のトラブルは、システムの冗長化で回避することが可能。手動でも設定可能ですが、一般的には切り替えを自動化させています。
それでは、詳しくみていきましょう。
冗長化切り替えの発生条件は?
冗長化の切り替えに際し、「ポート通信の遮断」「リンクダウン」のような発生条件にてUTMを設定します。
UTMにおける冗長化切り替えの発生条件は、ポート通信の遮断によるIPアドレスの紐づけができなくなった場合やノード間で通信できなくなるリンクダウンが発生した場合などが挙げられます。
冗長化することで仕組みは複雑化しますが、インフラの強化には効果的なため、UTMのセキュリティ強化の観点から導入を検討する企業も少なくありません。
しかし、UTMの冗長化には専門的な知識を持つ技術者による設計が必要であり、前述した発生条件を軸に素人が設定することは困難を極めることも事実。
一般的には、導入しているUTM機器の管理画面にログインして操作します。
具体的な方法については、後述します。
クラスタ構築の方法は?
UTMを冗長化するには、クラスタを構築することから始めます。
クラスタとは、データの最小単位でもあるセクタの集合体のこと。UTMを通過するデータを細分化するとセクタに分類されますが、それらセクタの集合体がクラスタです。
機種にもよりますが、一般的にはUTMを冗長化するには、クラスタ単位で設定をしなければなりません。
概要としては、下記の方法が挙げられます。
- 2台のUTMを同IPアドレスに配置する
- 1台目のUTMを冗長化設定
- 2台目のUTMと1台目のUTMを同期させる
- プライマリとセカンダリを確認する
この流れはUTMを冗長化させる一般的な方法ですが、機種によって具体的な操作手順が異なるため、手元の取扱説明書を確認しながら設定することをおすすめします。
何より重要なポイントが、各UTMが同じネットワーク上に存在しなければならないということ。
また、複数台のUTMで冗長化させるため、互換性を保つために同一機種であることにも注意しなければなりません。
さいごに|UTMを冗長化させて運用しよう!
今回は、UTMの冗長化について解説してきました。
冗長化させることで、UTMの持つネットワークセキュリティの向上だけでなく、インフラが強化されるメリットが得られます。しかし、ネットワークの仕組みが複雑化することには懸念が残ります。
しかし、UTMを冗長化させるメリットは大きく、企業のネットワークインフラを支える重要な仕組みの1つ。クラスタ単位で設定する手間はかかるものの、セキュリティの観点から導入を検討している企業もあることでしょう。
ぜひ、この機会にUTMを冗長化させ、システムの強化に努めてみてはいかがでしょうか。
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