UTMでボトルネックとなる機能とは?回避するための対処法を解説!
外部からの悪意のある第三者による攻撃を阻止してくれるUTM。大企業だけでなく、中小企業でも悪意のある第3者による攻撃を受ける可能性がある現在、社内外のネットワークに何らかの備えをしておく必要があります。
その備えとなるのがUTMですが、導入するのであれば、搭載されている機能にボトルネックとなる機能があるのかについて知っておかなければなりません。
本記事では、UTMにおけるボトルネックについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
UTMでボトルネックとなる機能について解説!
UTMには、主に下記のような多層防御による機能が備わっています。
- ネットワークを監視するファイアウォール
- 1つのゲートウェイで管理可能なアンチウィルス
- 不正侵入を検知・防御するIPS/IDS
- 迷惑メールを防御するアンチスパム
- 有害アクセスを防ぐWebフィルタリング
- 危険な通信を制限するアプリケーション制御
これらの機能のなかで、ファイアウォールなどがUTMにおけるボトルネックとなる可能性があることが示唆されています。
そもそもボトルネックのボトル(bottle)とは、「瓶」という意味を持つ英単語。そしてネック(neck)は、「首」「襟」といった意味を持つことから、一般的には瓶の口に近い細くなっている部分のことをボトルネックと呼びます。
瓶で特に細い部分であり、細く詰まりやすい部分であることの比喩からIT用語では、下記のような意味を持ちます。
- 他よりも性能の劣っている部分
- 負荷が集中して混雑している要素
- 処理速度やネットワークの通信速度の向上を阻む隘路となっている要素
もともと、前述したUTM機能には他よりも性能の劣っている機能は存在しません。
しかし、処理速度やネットワークの通信速度の向上における阻害要素となり得る機能があります。
そして、UTMで処理速度やネットワークの通信速度の低下を招きやすい機能として考えられるのが、下記の3つです。
- ファイアウォール
- アンチウィルス
- Webフィルタリング
それぞれの内容について、詳しくみていきましょう。
ファイアウォール
不正なアクセスから社内ネットワークを守るのがUTMのファイアウォール機能。しかし、この機能を使用することで通信速度が遅くなる場合があります。
ファイアウォールとは、外部からの不正なアクセスをブロックするセキュリティ機能の1つ。
送受信されるデータのトラフィックを監視し、決められたルールに従ってアクセスを通すか遮断するかを判断します。
しかし、この処理によって他の処理能力が低下。例えば、データ通信の処理能力が低下した場合に通信速度が低下するなど、ボトルネックとなる可能性があります。
アンチウィルス
悪質なコンピューターウイルスの検知、駆除をするセキュリティー機能がアンチウィルス。コンピューターにコンピューターウイルスが感染するのを防いでくれます。
現在はデバイスにデフォルトでインストールされていることが主流ですが、UTMでもこの機能を使うことで2重ブロックが可能。
しかし、両方で検知・駆除の処理をするとパソコンが重くなり、これがボトルネックとなる可能性があります。
さらに、新種・変異種のウイルスが絶え間なく追加されていくため、パケットをマッチングする処理が低下してしまいます。
Webフィルタリング
WebサイトのURLを判別し、内部ネットワークから有害サイトへのアクセスを制限する機能がWebフィルタリング。この機能を使うことで、UTMが危険なアクセスを遮断してくれます。
それによって有害サイトの閲覧や業務に関係のないサイトの閲覧を制限でき、マルウェアに感染するWebサイトへのアクセスも遮断してくれます。
サイトの制限・遮断の処理によって、UTMやパソコンの処理能力が低下しやすいですが、これがボトルネックになるといわれている理由です。
また、フィルタリングによって閲覧できるWebサイトを絞り込みすぎると、業務上必要となるWebサイトの閲覧ができなくなるため注意しなければなりません。
UTMのボトルネックを回避するための対処法を紹介!
前述したとおり、下記の機能がUTMのボトルネックとなるのは、その処理にかかる負荷が高いため。これにより、他の処理能力を低下させてしまう可能性があります。
ボトルネックを回避する方法としては、その機能をオフにすること。しかし、それだとUTMを導入した意味がありません。
もっとも必要な機能だけは作動させ、必要のない機能はオフにするという方法があります。
また、それ以外の方法として、高いパフォーマンスのUTMを導入することもおすすめ。低価格なUTMだとパフォーマンスが低いため、処理に高負荷のかかる機能を動作させると、それがボトルネックとなってしまいます。
パフォーマンスが高いUTMは大企業向けの上位モデルのため、導入に費用がかかります。
しかし、最近はパフォーマンスが高いにもかかわらず、導入コストが手頃な中規模向けUTMが登場しています。
価格だけでなく、すべての機能を使ってもボトルネックにならない機種を選ぶことで、UTMのボトルネックが回避できます。
さいごに|UTMのボトルネックを回避しよう!
セキュリティ対策としてUTMを導入したら、「ネットワークの効率低下した」「パソコンの処理能力が低下した」という事例は多くみられます。
UTMにはさまざまなセキュリティ対策機能が集約されているため、それらが原因でボトルネックになってしまうことは仕方ありません。
しかし、本記事でも紹介した方法でボトルネックを回避することが可能。
高いパフォーマンスのUTMを導入する場合には、搭載されているCPU(中央演算処理装置)のクロック周波数やCPUのコア数、同時セッション数などを参考に選びましょう。
UTM
最新記事 by 堀田直義 (全て見る)
- 【2024年最新版】UTMのリース料金の相場は?購入価格も紹介! - 2024年10月5日
- UTMとは何か?仕組みから導入方法までわかりやすく解説! - 2024年9月19日
- UTMをバーチャルボックスで簡単構築!企業セキュリティの強化方法とは? - 2024年9月8日
- UTMのプロバイダの選び方で何かが変わる?セキュリティの基本から解説! - 2024年9月7日
- 【FortiGate】UTMプロテクション版とは?特徴や口コミから徹底考察! - 2024年9月3日