UTM機器の勘定科目は?原価償却や耐用年数なども解説!
取引の内容をわかりやすく分類するために使われる簿記の科目の一つである勘定科目。UTM機器を導入したら、適切な勘定科目に仕訳を行い、帳簿に記入しておく必要があります。
しかし、複数の機器が一つとなったUTM機器は、どの勘定科目で処理するとよいのか分かりにくいです。
本記事では、UTM機器はどの勘定科目で処理したらよいのか、また勘定科目によって原価償却した際のUTMの耐用年数について解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
UTM機器の勘定科目は?税法上のルールに基づいて解説!
ファイアウォール(不正侵入防止)やIDS/IPS(不正パケット攻撃防止)など、複数のセキュリティー機能が1つの機器に搭載しているのがUTM機器。
一般的には、下記の勘定科目のいずれかで処理すればよいとされています。
- 資産:企業などが支配している経済的資源
- 負債::企業などが支配している経済的資源を放棄、あるいは引き渡す義務のあるもの
- 純資産:資産から負債を差し引いたもの
- 収益:取引に対して受け取った、あるいは受け取りが確定した金銭など
- 費用:取引に対して発生した、あるいは支払った金銭など
それでは、詳しくみていきましょう。
UTM機器の勘定科目は何?
購入したオフィス機器は、会社の資産です。
そして、基本的には勘定科目での資産とは、下記のものが該当します。
- 現預金
- 長期貸付金
- 短期貸付金
- 立替金
- 建物
- 土地
- 車両運搬具
- 備品
- 消耗品
- 貸倒引当金
- 受取手形
このなかの備品がオフィス機器の勘定科目のため、UTM機器も「備品」で処理できる場合があります。
しかし、オフィス機器のなかには備品費や消耗品費で処理するケースもあるため、その場合はUTM機器の勘定科目は「備品費」か「消耗品費」で処理しなければなりません。
ちなみに、下記のようなものが「備品」「消耗品費」「備品費」に該当します。
- 耐用年数が1年以上の工具や器具が備品
- 短期間で消耗する常備品などの消耗品にかかる費用は消耗品費
- 電話など10万円以上の物品の購入費用が備品費
また、UTM機器のような高額な機器は、下表のように企業の形態によって勘定科目での取り扱いが変わります。
個人事業主・中小企業 | 大企業 |
|
|
もし、UTM機器を購入ではなくリースで導入した場合は、リース料で処理しなければなりません。
リース料は消耗品費と同じ、勘定科目の費用に該当します。
税法上の仕組みは?
UTMを会計処理をする場合、税法上での取り扱いも知っておく必要があります。
ネットワークやセキリティのような形を持たないものは、税法上、無形固定資産で扱われます。
例えば、会社が所有する固定資産のうち「商標権」「特許権」「電話加入権」「ソフトウェア」ような形を持たないものが無形固定資産です。
ファイアウォールやアンチウイルスソフトといったセキュリティは、「無形固定資産」として税法上取り扱われています。
しかし、UTM機器は形のある機器のため、無形固定資産ではなく有形固定資産に分類されます。
ネットワーク機器はすべてUTMと同じ勘定科目で処理してもよい?
- ルーター
- LANケーブル
- ハブ
- サーバー
- パソコン
- プリンタ
- ソフトウェア
ネットワーク機器は上記の種類のネットワーク構成に必要となるすべての機器・用品のこと。
前述したように、購入した金額によって、勘定科目のうち「備品」「消耗品費」「備品費」のいずれかの処理で変わります。
また、形の有無で税法上の取り扱いが異なります。
そのため、UTMを含めたネットワーク機器は、すべて同じ勘定科目で処理することはできないため注意しましょう。
勘定科目によって減価償却した際のUTMの耐用年数など解説!
UTM機器の税法上の減価償却資産の耐用年数は10年です。
そして、セキリティであるファイアウォールやアンチウィルスソフトなどの無形固定資産の減価償却は、
- コピーして販売するための原本:3年
- 研究開発目的のもの:3年
- 自社仕様を目的で購入したもの:5年
- 自社仕様のために制作したもの:5年
となっています。
しかし、UTM機器は有形固定資産として扱われるため、減価償却時に設定すべき耐用年数はネットワーク・セキュリティ関連の機器と同じです。
過去には、ネットワーク・セキュリティ関連の機器の法定耐用年数は、種類を問わずに取得から6年間という取り扱いとなっていたこともありました。
しかし現在は、機器ごとに取り扱いが変わっていますので、注意しなければなりません。
さいごに|UTM機器の勘定科目を理解して仕分けしよう!
UTM機器の勘定科目は、購入した機器の金額で変わります。
また、購入とリースでも異なるため、導入方法と照らし合わせて勘定科目を選択することが重要。ネットワーク機器は、すべて同じ勘定科目で処理できないため、理解するまでは大変だと感じることでしょう。
さらに、オフィスの規模でも勘定科目が変わるため、ぜひ本記事を参考にしてください。
UTM
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