UTMの半導体不足の影響は?解消時期の見込みについて解説!
近年の半導体不足によって、さまざまな業界における機器の供給に影響が出ています。
悪意のある第3者による攻撃が年々増えているだけでなく、巧妙化している現在。セキュリティ対策強化のために、UTMの導入を検討する企業が増加していますが、UTM機器にも半導体は使われているのでしょうか?
もし使われているのであれば、このまま半導体不足が続けば、どんな影響が出てしまうのでしょうか。
本記事では、UTM機器にも半導体は使われているのか?また、不足状態が続くとどんな影響が出るのか?そして今後の供給不足は解消されるのか?というテーマで解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
半導体とは?UTMにも使われている!
UTM機器にも、半導体は使われています。
ここでは、そもそも半導体とはどういったものなのか?なぜUTM機器に使われているのかということについて解説しています。
それでは、詳しくみていきましょう。
半導体とは?
物体には、電気(熱)をよく通すモノとほとんど通さないモノとがあります。
そして、電気を通すモノを「導体(電気伝導体)」、通さないモノを「絶縁体」と呼んでいます。
最も典型的な電気伝導体が金属で、金属のほかにもグラファイトや塩の水溶液、導電性高分子材料などさまざまなモノがあります。
典型的な絶縁体といえばゴム。また、ガラスや紙、テフロンなどさまざまモノが挙げられます。
その導体と絶縁体の中間的な電気抵抗率をしている物体が、半導体です。
半導体の大きな特徴は、条件を加えると導電性が変化すること。そして、導電性が変化する条件として、下記の内容があります。
- 熱
- 光
- 磁場
- 電圧
- 電流
- 放射線
- 不純物の導入
条件が加えられる前の半導体は、電気をほとんど通さない状態ですが、条件が加わると電気を通すようになります。
また加わる条件の量、例えば条件が熱であったら、温度が高くなるに連れて電気伝導性が増すのも半導体の特徴です。
なぜUTM機器に使われているのか?
電気を使って動くモノには、半導体が使われています。
その理由は、半導体が電気のエネルギーを光に変換したり電気の流れを制御できたりするため。この半導体の特性を使っているモノに、集積(IC)回路があります。
集積回路とは文字通り、回路を集積した電子部品のこと。
電子部品の各種繋がりを、一枚の基板(チップ)上に実装したモノで、「トランジスタ」「抵抗」「コンデンサ」「ダイオード」など、多数の微細な電子部品を1つの基板のうえで連結されています。
この集積回路は、いくつかの種類がUTM機器にも使われています。
UTM機器が稼働し、複雑な処理を行ったり大量の通信のやり取りを行ったりできるのも、集積回路があるため。
この集積回路は、主にシリコン(Si:ケイ素)などの半導体からできており、数ミリから数センチ角のチップの表面に、微細ではありますが多いもので10億個以上の半導体が使われています。
半導体不足がUTM機器に与える影響について解説!
UTM機器には、主に下記のような機能が備わっていますが、それらが機能するのは集積回路が搭載されているためです。
- ファイアウォール(不正侵入防止)機能
- IDS/IPS(不正パケット攻撃防止)機能
- WEBフィルタリング(閲覧規制)機能
- アンチウイルス(ウイルス対策)機能
- アンチスパム(迷惑メール防止)機能
- VPNシステム(仮想専用線)機能
コラム:UTMとは?導入のメリットやデメリットを詳しく解説!
必要な集積回路が足りないと、UTM機器の機能(能力)が低下します。
それだけでなく、UTM機器自体作ることができません。
そのため、半導体不足が続くことで、下記のような影響を受けることが考えられます。
- 製品の生産ができないことでの導入の遅れ
- 部品が足りないことで修理ができなくなる・修理が遅くなる
- 製品や部品の価格上昇
- 完全な生産の停止
作られる製品数が減れば入手困難な状態に陥ってしまうため、セキリティ対策のためにUTM機器を導入したくても、できないという状況になってしまいます。
事実、一時期ニューソフトのUTMの納期が2か月後(2020年5月~8月ごろ)となったり、不安定な時期がありました。
2022年1月現在では流通が止まるというメーカーは聞いていません。
影響はあったが、今は大丈夫と言っても良いでしょう。
半導体不足が懸念されるUTM業界!今後の供給不足は解消される?
半導体不足が続いている原因は1つではなく、下記のようなさまざまな要因から影響を受けていることが、理由として挙げられます。
- 生産に時間がかかる
- 搭載機器の増加による需要の急増
- 新型コロナウイルスの猛威による生産減
- 新型コロナウイルスの世界的流行を経た需要の高まり
- 度重なる半導体工場でのアクシデントによる操業停止
このように、複数の原因が絡み合っているため、不足状態が長期化しているとのこと。さらに長期化すれば、UTM業界にも、多大な影響を及ぼしかねません。
企業のなかには半導体不足への取り組みとして供給が滞る可能性が比較的高い部品、例えば汎用性の低い特殊な部品や長期にわたって供給されている古い部品などを設計段階で排除し、製品の供給リスクを可能な限り下げる対応を行っているところもあります。
また、半導体設計大手のARM社やNVIDIA社は、2022年の年末には不足が解消される見通しを発表しています。
さいごに|UTMには半導体が必要!
UTM機器には、半導体が必要です。
また、UTM機器だけでなく、会社で使っているほとんどの機器に半導体は使われています。
そのため、半導体不足が続いていることでUTM機器だけでなく、さまざまな機器の購入・導入や修理に少なからず影響が出てきているのが現状。
UTM機器に関していえば、今のところ大きな影響は受けてないとはいえ、将来性としては不安が残ります。
しかし、今後の見通しのなかで、2022年度中に半導体不足が解消される可能性が示唆されています。
UTM業界の今後の動きに注目です。
UTM
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