UTMの防げないものとは?セキュリティリスクと対応策など解説!
UTM(Unified Threat Management)を導入している企業であれば、セキュリティ対策の強化を常に意識しなければなりません。
しかし、UTMだけでは防げないセキュリティリスクが存在することをご存知でしょうか?
UTMの導入を検討している企業や既に導入している方のなかには、「UTMがあればすべての脅威を防げる」と考えている方も少なくないでしょう。
しかし、UTMの性能には限界があり、追加の対策が必要です。
本記事では、UTMでも防げないセキュリティリスクの実態とその具体的な対応策について詳しく解説します。
最後まで読むことで、現在のセキュリティ対策の見直しと強化ができるようになります。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
UTMでは防げないものがある!
UTMだけでは対処しきれない防げないものとして、具体的なセキュリティリスクがあることについては理解しておかなければなりません。
ここでは、その特徴と対応策を紹介しています。
UTMの限界について知ることができ、自社でもより精度の高いセキュリティ対策が可能になるでしょう。
解説するポイントは、下記のとおりです。
- UTMの基本性能からみた防げないもの
- ゼロデイ攻撃に対する対策
- 内部からの脅威に対する対策
- 詐欺などの騙し行為
詳しくみていきましょう。
UTMの基本性能
UTM(統合脅威管理)は、ファイアウォール、VPN、アンチウイルス、侵入検知・防御システムといった多様なセキュリティ機能をひとつにまとめて提供できる仕組みです。
セキュリティ管理が一元化され、効率的なコストで運用が可能になります。
UTMは企業のネットワークセキュリティにとって不可欠な要素ですが、当然防げないものもあり、あらゆる脅威に対して万全を期すことは困難です。
それでも、UTMは複合的なセキュリティリスクに対処するうえで、強力なセキュリティ基盤となり得ます。
ゼロデイ攻撃に対する対策
ゼロデイ攻撃は、未知のセキュリティ脆弱性を悪用する攻撃であり、対策がまだ存在しないため特に危険です。
ちなみに、株式会社Googleが運用しているゼロデイ攻撃専門対策チームでもある「ProjectZero」は、2021年のゼロデイ攻撃件数が58件と発表しています。
UTM(統合脅威管理)システムは、既知のセキュリティ脅威には効果的ですが、ゼロデイ攻撃のような未知の脅威には迅速な対応がそもそも困難。実際に、過去には企業がゼロデイ攻撃によって重要なデータを失った事例が報告されています。
これらの攻撃に対抗するには、UTMだけでなく、定期的なシステムの更新と脆弱性の継続的な管理が不可欠です。
内部からの脅威に対する対策
内部からの脅威には、従業員の不正行為やミスによる情報漏洩があります。
UTMは外部からの攻撃には特筆すべき堅牢さを誇りますが、内部の人間による脅威には対応しきれません。
例えば、従業員が意図的に機密情報を持ち出したり、無意識に悪意あるリンクをクリックしてしまうことがあります。
このような内部脅威を防ぐには、従業員へのセキュリティ教育や内部監査による監視が有効といえます。
フィッシング攻撃やソーシャルエンジニアリングの防止策
フィッシング攻撃やソーシャルエンジニアリングのようなセキュリティ脅威は、UTM(統合脅威管理)システムだけでは完全には防げません。
これらの巧妙な攻撃から企業の情報を守るためには、従業員へのセキュリティ教育と定期的なチェック体制の確認が効果的です。
フィッシング詐欺を見抜く方法や怪しいリンクをクリックしないための社内教育を繰り返すことで、セキュリティリスクを回避できるようになるでしょう。
UTMの限界を補う措置とは?防げないものへの対策についても解説!
UTMの限界を理解したうえで、どのようにしてその限界を補うのかが重要です。
ここでは、防げないものの対処法として、UTMの限界を補うための対策を下記のポイントで紹介しています。
- 多層防御の重要性
- セキュリティ教育の重要性
- 最新セキュリティ技術の導入事例
詳しくみていきましょう。
多層防御の実践
多層防御は、ひとつのセキュリティ対策に依存することなく、複数の対策を組み合わせることでセキュリティを強化する方法です。
例えば、UTMに加えて、エンドポイントセキュリティやクラウドセキュリティを導入することで、インターネットに関連した脅威に対応できます。
実際に、多層防御を導入した企業では、攻撃を未然に防ぐ効果が確認されています。
セキュリティの教育
従業員指導の一環として、内部脅威を防ぐためにも非常に重要です。
定期的な会議などを通じてを実施し、従業員にも最新の脅威情報を共有することで、意識を高めることができます。
実際の事例を交えた実戦形式での指導など有効です。
最新セキュリティ技術の導入
セキュリティの状態は常に最新を心がけることが重要であり、UTMで防げないものを補うためにも必要な施策です。
例えば、AI(人工知能)を活用したセキュリティ対策も続々と登場しており、未知の脅威を検出するにもおすすめ。
そもそも、インターネット社会の広がりに際し、リモートワークの増加から、より一層最新技術による業務の最適化が望まれています。
その時々で、時代に合わせた最新技術を導入するだけで、企業のセキュリティ体制を強化できる場合があります。
さいごに|UTMのセキュリティを高めよう!
UTMは多くの脅威に対して有効な防御手段ですが、そもそもすべての脅威を防ぐことはできません。
ゼロデイ攻撃や内部からの脅威、フィッシング攻撃などには、UTMだけでは対応が難しい場合があります。
これらのリスクに対処するためには、多層防御や従業員教育、最新技術の導入が必要不可欠。企業はより強固なセキュリティ体制を構築し、サイバー脅威からの保護を実践しなければなりません。
この機会にぜひ、自社のセキュリティ対策を見直し、さらに強化するための施策をしてみてはいかがでしょうか。
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