サーバーのクラスタ構成とは?クラスタリングの仕組みについて解説!

サーバーのクラスタ構成は、複数のサーバーをひとつにまとめて動作させる技術です。

 

クラスタ構成を行うことで、業務上においてさまざまなメリットがあります。

 

この記事では、サーバーのクラスタ構成がどういうものなのか解説します。クラスタ構成をするメリットだけでなく、具体的な仕組みを学び、万が一の対策を万全にした管理体制を整えましょう。

 

クラスタリングの基本とは?

 

一つのコンピューターに複数のサーバーを集めた状態がクラスタリングです。それぞれ、企業のサービスである場合と、個人の独自開発である場合とがあります。

 

クラスタリングは、最大16台以上の専用ハードウェアやソフトウェアに接続が可能なシステムが導入されたのが始まりとされています。

 

この時、障害が発生した場合でも短時間で機能回復が行えたため、スタンバイマシンを設置することによる恩恵を知ることとなりました。

 

結果、スタンバイマシンの設置や障害が発生した時に対応できるサーバーの用意をするようになり、クラスタリングシステムが多くの企業でパッケージングされることになります。クラスタリングは、1983年頃にスタートされたと考えられます。

 

クラスタリングに似ている分散処理システムがあります。それは、グリッドコンピューティングというシステムです。分散処理をするという点では同じですが、利用目的が異なるため注意してください。

 

主に、グリッドコンピューティングは、「広範囲の計算資源を活用するため」で使用するため、この点を踏まえてクラスタリングについて解説します。

 

 

クラスタリングの目的?

複数のサーバーをひとつのパソコン(コンピューター)で稼働させる仕組みであり、利便性を高めるほか同時アクセス時のサーバーダウンを回避する目的があります。

 

具体的には、以下の点がクラスタリングする目的です。

 

  • 拡張性(スケーラビリティ)
  • 高可用性(アベイラビリティ)

 

クラスタリングのそれぞれの目的について解説します。

 

 

クラスタリングの目的①:拡張性(スケーラビリティ)

高い処理性能を得るために、複数のコンピューターを取り入れて処理を分散させる目的です。

 

システム全体が高性能となります。そのため、サーバーを追加することで複数のユーザーがアクセスしても頭打ちにならないようにできる点がメリットです。自律的に動作するノードを設定することで、アクセスの待ち時間が発生しません。

 

 

クラスタリングの目的②:高可用性(アベイラビリティ)

コンピューターの処理が停止する可能性や継続的に処理できるようになります。

 

システムにアクセスし利用するサービスを稼働し続けさせられるためおすすめです。障害が起きたとしても、サービスを中断しません。そのため、サービスを稼働させたままメンテナンスを実施できる点がメリットです。

 

 

サーバーのクラスタ構成とは?

 

クラスタ構成は、既にクラスタリングされた状態のシステムのことです。

 

そのため、複数ユーザーからのアクセスや万が一のトラブルがあったとしても安心して利用できます。複数のサーバーからアクセスしても障害が起きることなく、システムを稼働し続けられる点がメリットです。

 

大きく2つの種類があり、「HAクラスタ」については、また細かく種類があります。

 

  • HPCクラスタ
  • HAクラスタ

 

まず大枠として、次の2点について解説します。

 

 

HPCクラスタ

HPCクラスタは、高い計算能力のシステムです。スーパーコンピューターのように、大量の演算を行う必要がある場合に活躍します。一台のコンピューターで実現ができないパフォーマンスを複数のサーバーを搭載しているコンピューターで行います。

 

一連の計算を実行し、利用可能なリソースを追跡し、高速ネットワークを利用して効率的に割り当てられる点がメリットです。

 

  • データベースへアクセスする用のサーバー
  • 演算用のサーバー

 

それぞれでそれぞれの役割を持っている点がメリットです。並列処理を高速で行えるため、高性能な計算や機能が必要な場合に重要なサーバーとなります。

 

 

HAクラスタ

HAクラスタは、冗長化構成された高可用性なシステムです。分散して稼働する仕組みをいかした方法で、故障時などにスタンバイしていたサーバーをアクティブにさせています。

 

構築方法の違いで次のような分類ができ、それぞれ細かく違いがあります。

 

  • フェイルオーバークラスタ
  • 負荷分散クラスタ

 

上記の構成方法それぞれについて解説します。

 

 

フェイルオーバークラスタ

フェイルオーバークラスタは、業務を中断せずに稼働できるシステムです。それぞれの稼働系サーバーと待機系サーバーの2つに分けられ、故障時にサービスを引き継ぐことができます。

 

データの持ち方によってタイプが以下のように分けられます。

 

アクティブに動くディスクと、スタンバイするディスクの領域が同じものとなっているサーバータイプを「共有ディスクタイプ」と言います。

 

そのため、何か障害が起きた場合には共有ディスクの状態を確認して修復が必要です。こちらの方法では、大量のデータを取り扱っている方に向いています。その反面で、高額になる可能性がある点が欠点かもしれません。

 

また、もう一つのものとして挙げられる「データミラータイプ」では、共有ディスクタイプと比較すると安価な価格のハードディスクで構成できます。

 

稼働系と待機系のディスクがそれぞれで稼働する特徴があり、常に同期させなくてはならない点がデメリットかもしれません。ディスクに書き込む必要が出た場合、待機系のディスクにも、書き込むデータを送信する仕組みです。

 

フェイルオーバークラスタでは、物理的に稼働系と待機系が離れた場所にある場合を「遠隔クラスタ」と呼びます。災害時などでシステムが被害を受けた場合でも対応できるメリットがあります。

 

 

負荷分散クラスタ

必要な処理を細分化して実行できるシステムとなっており、故障時にはほかのサーバーに割り当て分散させます。可用性にプラスしてパフォーマンスの向上が期待できるのが、負荷分散クラスタです。

 

負荷分散クラスタについても「分散対象」によって分類されています。

 

  • ロードバランスクラスタ:外部からアクセスしたサーバーを自動的に振り分ける
  • 並列データベースクラスタ:複数のデータベースサーバに接続する

 

それぞれは次のような違いがあります。

 

タスクをどのサーバーで実行するかを「ロードバランサー」が決定する仕組みをもっているのがロードバランスクラスタです。

 

ロードバランサーは、外部から来たサーバーを自動的に振り分け、処理速度の低下を防いだり、システムダウンを回避したりする働きがあります。

 

また、運営や管理を効率的に行える点が利点です。業務用のアプリケーションで活用されることが多くあります。

 

複数のデータベースサーバに接続する仕組みをもったものが、並列データベースクラスタと言います。データベースの入出力によって負荷を分散できる点がメリットです。

 

複数のデータベースサーバに接続し、可用性やパフォーマンスの向上を図っています。データの入出力に関する負荷が分散できるのでメリットです。

 

 

サーバーをクラスタ構成してリスクに備えよう

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サーバーをクラスタ構成すると、さまざまなリスクに備えられます。

 

クラスタ構成をしておくと、サーバーダウンを回避できたり、安定した稼働が行えたりできます。しかしながら、どのようにクラスタ構成をしたらいいか分からないことがあるかもしれません。

 

その場合、業者に依頼することがおすすめです。具体的に、どのようなサーバー運営をしていくか計画を立てた上で、ご相談ください。

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業界歴10年以上の生粋のOA機器営業マン。勤めていたOA機器会社のあまりの悪徳営業っぷりに嫌気がさし「株式会社じむや」を設立。 UTMや複合機業界の赤裸々なコラムを発信し続け、価格崩壊を招いた張本人。 競合他社から2週間に1回はクレームが入る程の激安正直価格でUTMや複合機を全国にリース販売しています。